それは、柴田と村崎の、切ない恋物語。


原作 緑川ゆき／月刊 LaLa（白泉社）連載
監督 大森貴弘
シリーズ構成 村井さだゆき
キャラクターデザイン 田晃
妖怪デザイン 山田起生
美術 渋谷幸弘
色彩設定 宮脇裕美
撮影 田村仁
編集 関一彦
音楽 吉森信
アニメーション制作 ブレインズ・ベース
制作 NAS
製作 「夏目友人帳」製作委員会

夏目貴志 神谷浩史
ニャンコ先生 井上和彦
夏目レイコ 小林沙苗
名取周一 石田　彰
田沼　要 堀江一眞
西村　悟 木村良平
北本篤史 菅沼久義
的場静司 諏訪部順一


いやいやいや…神回来ちゃった？

切ない話ですねえ…。


前半、夏目に絡んでくる柴田は、

ただの嫌な奴にしか見えない。

妖の見える、小学校時代の夏目を、

嘘つき呼ばわりしてイジメていたわけですからね。


ところが、話のポイントはそこではなかった。


彼が夏目を必要としたのは…偶然知り合い、

恋してしまった「村崎」という女性が、

本当に人間なのかどうか、夏目に確認してほしかったから。


この時点で既に、柴田は

「夏目が妖を見破る能力がある」

「村崎は人間ではない存在」

と、薄々気がついているんですよね。


ただ、それはどちらも認めたくない事実。

最初は、夏目も「普通の女の子」と判断したのですが…

柴田は「手が冷たい」など、人間ではありえない

症状に疑念が消えない。


ニャンコ先生が「妖の臭い」と気がついて、

事態は急展開。

今回は、ニャンコ先生結構活躍してましたね。

シリアスとギャグの場面が、バランスよくありました。


一方、妖である村崎。

最初は食ってやろうと思っていたが、次第に柴田を

好きになってしまい…

ダメだ！ こういう話は個人的に大好きだ！

しかも、人間を食わないからなのか何なのか、

村崎は衰弱してしまい、ついに消える…。


最後に、柴田に手紙を送り、一緒に過ごせたのが、

せめてものアレかな…。

ダメだよ、こういう話。

弱いんだからさ。

人間と霊的存在の恋って、こういう切ない結末

はテンプレなんですけど、わかっていてもやられる。


折笠さんは、ギアスのシャーリーとか今回の村崎とか、

不遇な恋愛の結末を迎えるキャラを演じると、

素晴らしいですね。


ラスト、柴田と村崎が手をつないで走る

場面は、泣きそうでした。